2008年10月28日火曜日

10/28 Today 禁酒法の成立 (1919)……禁止するから犯罪が起こる

大恐慌に先だつこと10年、1919年の今日、アメリカ議会で「禁酒法」が成立した:
Volstead Act - Wikipedia, the free encyclopedia: "The bill was vetoed by President Woodrow Wilson (largely on technical grounds, because it also covered wartime prohibition) but overridden by Congress on the same day, October 28, 1919. The Act specified that 'no person shall manufacture, sell, barter, transport, import, export, deliver, furnish or possess any intoxicating liquor except as authorized by this act'."
アメリカならではのへんてこりんな法律だと思われるだろうが、古今東西、この類いの法律はいっぱいある。なんでも規制すれば物事は解決するとか、国民を善導するために法律で数値目標を決めるべきだとか、アホな「思いこみ」が強い人が多いのだ。その結果、ごく普通の行為が「違法行為」となってしまい、世の中は「犯罪者」で溢れると言うことになる。

ちなみに、日本の入国管理法も同じようなものだ。外国人労働者を厳しく制限することで、法律に違反した「犯罪者」を多量に作り上げている。外国人犯罪件数の大部分は「違法滞在」なのである。法律が犯罪者を作り、そのことで国民が外国人を更に憎むようになる(今のイタリアで起こっている外人排斥ファシスト運動をみよ)。

「食育基本法」とかもそう。朝食を摂らない人間をゼロにすると法律で決めてしまった以上、つい朝寝坊をして、亭主や子どもに朝ご飯を食べさせないで送り出すと「法律違反」となる。恐ろしいことである。

食料自給率の数値目標を定めた農業基本法も同じ。自給率数値目標の達成は「法律に書いてある以上」国民の義務であり、そのために「お上」が国民に粗食を強制したり、外国からの食料輸入を禁じて食糧鎖国をして国民に多大の負担を強い、さらには餓えさせてでも「法律に書いてある以上」正しいことだし必要なことだという論法につながっていく。

食品の残留農薬についての異常に厳しい「ポジティブリスト」やらもそうだ。国内農家を保護するため「安全・安全」をスローガンに輸入品をシャットアウトする目的で作られたが、そのおかげで結局何も食べられなくなり、国民は「高価格」という新たな負担を求められている。

得するのは一部の利権集団と、法律を実行に移すために自分の仕事と予算と権限と部下の数が増えて喜ぶお役人だけ。

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